ただ大きい原木を安値で仕入れることが良い仕入れではありません、木材は同じ材質であってもそれぞれに癖があります。虫喰いの丸太もあれば、内部が朽ちていたり、枝持ちだったり、芯割れのすさまじい丸太などもあります。価格、一本の丸太から一枚板がとれる効率、丸太の形、色など全てを総合的に判断したものだけを大事に仕入れます。先代から培われた材木を見る目を日々養いながら、日本中の木材関係者の方々と綿密に情報交換をし、常に厳選された良質な一枚板を探しています。世界的な木材需要の増加により樹種を問わず大径木が供給不足の昨今、一枚板の仕入れ方法も様々ですが主には以下のように材を仕入れます。
テーブル用の一枚板の仕入れ
木材市場での一枚板の仕入れ
欅、栃、楢、桜、ウォールナットなど銘木と呼ばれる良質な大径木の丸太や一枚板を仕入れる事が出来る木材市場は国内にいくつか存在します。産地ならではのここでしか手に入らないような固有の樹種を出品しているような木材市場だったり、アットホームな和やかな雰囲気で競りが行われる面白い木材市場も存在しています。個々の市場が独自の年間スケジュールを立て、競り市や入札のシステムに従って木材の売買が行われます。
山師さんからの提案による丸太の仕入れ
「山師」とは山林の買付けや木の伐採を行う人の事です。間伐など頻繁に山に赴く機会の多い山師の方達は稀に大径木に出会います、山師さんの勧めて下さる丸太が交渉後に価格が折り合えばその材を購入するケースもあります。
外国産材の専門業者さんからの仕入れ
世界には数え切れない沢山の銘木が存在しています。ウォールナット、オーク、マホガニーなど近年特に大人気の樹種を直接海外から仕入れている業者さんが存在します。突き板と呼ばれる丸太を仕入れる方や楽器用の丸太を仕入れる方等、そのような方がコンテナ買付して来られた材木を購入するケースもあります。
一般のお客様所有の一枚板の買取など
一枚板は何度でも蘇ります。永くお使いになった一枚板の座卓やテーブルなど、お客様から買い取らせて頂く場合もございます。
木材市場での仕入れ
一枚板の仕入れにおいて、テーブルに用いられる一枚板が採れるような大きな丸太は日本全国に点在する木材市場で仕入れることができます。ルールは個々の市場により異なりますが、競売や入札により材木の売買が成立していきます。
競り市
一般的には競り市と呼ばれるオークション形式の販売方法が多く採用されています。出品者(売主)の木材は価格が確定しないまま売り出され、不特定多数の購入希望者が価格を提示して最終的には一番高い価格を提示した人が購入することができる方法です。出品者側は指値などをして希望販売価格を下回らない様にしたり、少しでも安く仕入れたい購入希望者側は上乗せする金額に気を配りながら価格を提示していきます。木材市場での材木の仕入れは全て綿密な下見が非常に重要なポイントです。市場によっては500点もしくは1000点以上の膨大な材が出品されているため、市場側はスピード感を持って進めていきます。一旦競りが始まってしまってはお目当ての材のチェックをする時間はありません、そのため前日までに行う下見は必ず入念に行います。
製品(既に製材された荒板)も原木も
- 「どこにキズがあるのか」
- 「芯は外れているのか」
- 「価格に見合う寸法を満たしているのか」
- 「ここでテーブル天板を採って残りはテーブル脚の材としよう」
などなど天然木の一枚板は同じ形木目が存在しませんので、チェック項目を挙げれば枚挙にいとまがありません。
場合によっては一日では足りない位の膨大な数の材を一点ずつ丁寧にチェックしていき、手に入れたい材全てに提示可能な金額をメモしていきます。しかしながら当然希望の材を希望価格通りに落札できるわけではありません。相手(ライバル)によっては希望価格を下回って落札できることもありますし、予想を大きく上回って手に入れることができないケースも多々あります。競りは開催月により様々です、主には材木が豊富に切り出される秋から冬にかけて良質な丸太が出てきやすい時期もありますが、その分競り合うライバル(買主)も多くなるため価格が高騰しがちです。競り合う相手の表情を見れるのも競り市の面白いところです、相手より少額ずつ提示金額を上げて安く仕入れるのも良いですが、ある程度高い金額を最初に提示する事によって「この買主は予算を大きく見ているからこの材を競うのは難しい」こう思わせる事が出来ればお目当ての材が思わず安く手に入る事ができます、このような相手の心理を考えながら競り市を参加するのもまた醍醐味の一つではあります。
入札
出品された丸太などには全て管理番号があります。購入したい材の番号と購入希望金額を用紙に書き出し、規定時間までに入札箱に用紙を投入します。締め切り後に関係者が箱の中の用紙を確認して一番高い金額を提示した希望者が購入することができる方法になります。競り市と異なり競り合う相手が見えませんので高すぎる提示金額なのか、それとも荷主(売主)の指値には届かないような小さな提示金額なのか分からないのが入札の面白いところです。
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