良杢の一枚板を仕入れたり、欲しい原木を低価格で競り落として手に入れたりが私達のゴールではありません。より良い一枚板を仕上げてお客様にお届けし、安全にお使いいただくためには「乾燥」の工程を省く事はできません。木材の乾燥はよく甘く見られがちですが、一枚板テーブル製作の要と言っても過言ではないとても時間の掛かる大切な工程です。しっかりと材を乾燥させる事は一枚板テーブルの完成に向けて80%以上の工程をこなしたと見て言い過ぎではありません。一昔前と違い、高気密で冷暖房が良く効いた展示場や一般住宅においては一枚板がさらされる環境下はとても過酷なため、未乾燥材の商品化は後々の割れ、反りなどの問題に繋がります。ここでは木材の乾燥について触れていきます。

一枚板の乾燥

一枚板の乾燥時のリスクとその対応

主に建築材などに使われる杉、檜などの「針葉樹」とは違い、欅、楢、栃、楠、桜などの「広葉樹」は乾燥時の木の動きや反り、痩せ方などリスクは様々です。

乾燥時の割れのリスク

製品に仕上がってしまえばその硬さゆえに家具材として重宝される広葉樹ですが、硬い材は乾燥時に割れ易いリスクがあります。天然の一枚板ですから主には小口(一枚板の両端の切り口)だったり、表面の硬い節から割れ(ヒビ)が入る事があります。製材後は出来る限り直射日光を避け、小口や節の周辺に割れ止めを塗布し、また既に割れている箇所には鎹(かすがい)を打ち込んだりします。材質によっては高値で競り落とした原木を製材して極上の一枚板が手に入っても、乾燥時に真っ二つに割れてしまうリスクもゼロではありません。しかし然るべき処置によりそのリスクを大きく軽減する事もできます。

虫喰いの発生

材種により発生する虫も場所も異なりますが、キクイムシなど発生する箇所は主には一枚板の両端の白太部分になります。原木の時点で虫喰いに晒されているものもありますが、長い乾燥期間にも多くの虫喰いが発生します。製材直後には専用の殺虫液を用意して主には白太部分を中心に丁寧に塗布する事が肝心です。白太部分に虫喰いが発生して白太を切り落としていては、せっかくの一枚板の皮目の部分の良さが損なわれ完成度が半減してしまいます。手間の掛かる作業ですが、手を抜く事ができない大切な工程です。

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青カビの発生

製材時期が良くなければ(6月などの雨季)それだけで発生する青カビですが、栃材やカバ桜材の白太部分は環境が悪いと直ぐに青カビが発生してしまいます。木目(夏目、冬目)の境に関係なく真っ青のカビが入ってしまえば、厚みをいくら削り込んでもその青カビは取り除く事はできません。材質によっては製材後は雨風のない屋内乾燥でのみ過ごさせるものもあります。ただ木材乾燥において内部の水分を減らすためには呼水となる雨風にさらす事でより早く乾燥を促すのが一般的ではあるため、材種により保間場所や保管期間は異なります。

乾燥時の板の反り

杉、檜などの針葉樹でも乾燥時に反りが発生しますが、欅、桜、楢などの硬い広葉樹はそのリスクが大きくなります。
数年間の自然乾燥の間その自重により長手方向に材が垂れてきたり、奥行き方向の反りも避けて通れませんが丁寧な桟積みによりその「垂れ」や「反り」の発生リスクは大きく軽減する事が出来ます。2寸5分(約75㎜)に製材したせっかくの分厚い材を分止まり60㎜にもっていけるか、50㎜を割ってしまうことになるかはこの桟積みによって決まります。

一枚板の自然乾燥と人工乾燥

自然乾燥

製材直後の一枚板は含水率80%超の水浸しの状態です、ただでさえ自重のある一枚板がこの時ばかりはびくともしない程の重量があります。高含水率から自然乾燥の限界値である約20%の含水率に仕上げるため、約1年から3年程寝かせます。上記に挙げた「反り」、「虫喰い」、「青カビ」、「割れ」などのリスクが1番発生し易い状態のため、木材の様子を確認しながらひたすらに時間を費やします。

人工乾燥

人工乾燥機による木材乾燥方法はいくつかありますが、弊社が採用しているのは蒸気乾燥による乾燥方法です。低温(約50°〜60°)をキープした室内に事前にプログラムした呼水となるシャワーを定期的に浴びせる事で湿度を調整し木材内部を均等に乾燥させる方法です。以前は高周波乾燥と呼ばれる、室内を真空状態に近づける事で沸点が下がり高音にならない事で割れなどのリスク軽減につながる乾燥を採用した事もありましたが、弊社の一枚板の材が一般的な家具メーカーが使用する材より厚みが分厚いためなのか含水率の均一化が難しく、古い乾燥方法ではありますが「蒸気乾燥」を採用しています。

丈夫な家具作りのための乾燥

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一枚板の乾燥は自然乾燥では含水率が20%を切る事は殆どありません。上記にも記したように現在の一般住宅、大きな商業施設や展示場において一枚板や無垢材の家具は非常に厳しい環境下にさらされています。その厳しい中でもそのリスクを限りなくゼロに近づけるために一枚板の乾燥方法は重要な工程になります。椅子や収納家具、ソファにしても無垢材の家具はしっかり乾燥された材だからこそほぞ付きなどの仕口が強くなり、はじめて頑丈な家具が出来上がります。せっかく手に入れた一枚板なのに反りや割れや虫喰いの症状が出てしまっては台無しになってしまいます。

ネットや市場にある一枚板は乾燥のあまい個体も出ており、お客様からの反りなどによるお困りのお問い合わせも時々いただきます。長くストレスなくお気に入りの一枚板テーブルとしてお使いいただくためにしっかりとした乾燥材を使用した一枚板をお勧めします。

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