『一枚板について』-コラム

一枚板とは悠久の時を経て数百年生きた丸太から挽き出された、テーブルとして使うことの出来る純粋な一枚の板です。一般的な家具に使われる合板は天然木を薄くスライス（突板）した木目をMDF（中密度繊維板）などに貼り付けて無垢板の様に仕上げています。純粋な一枚板とは巨木から「挽き」出されたそのままの状態であり、いわゆる合板とは違い天然木そのものを指します。手作り家具工房すぎむらがご紹介する「一枚板」へのこだわりと考えをここで深堀していきたいと思います。

一枚板とは

一枚板の希少価値

一枚板の希少価値は年々高まっています。テーブル用の一枚板が採れるような大きな板は当然それだけ大きな原木（丸太）から挽き出される為、樹齢100年もしくはそれ以上生きた原木に限定されます。あらゆる樹種の大径木が少なくなってきた昨今、大きな一枚板の希少価値はますます高まっていると言えます。もちろん一枚板はそのサイズだけに限らず樹種や木目、傷の有無によりその価値は大きく変わります。「すぎむら」のサイト内にもあるように数万円から数百万円に上るものまでその稀少性は様々です。世界三大銘木（チーク、ウォールナット、マホガニー）と呼ばれる樹種に限らず、木材マーケットの巨大化に反比例して大径木が少なく、これからは大きな一枚板テーブルの希少価値が更に高まっていくと考えられます。

一枚板の魅力

途方もない歳月を生きた巨木から作り出される一枚板テーブルは工業製品には持ち得ない、独特な美しさと強烈な個性が魅力です。形状、木目は一つとして同じものはなく、大自然のエネルギーをダイレクトに感じられる唯一無二の一枚板テーブルは使い込むほどに味わい深さが生まれ、決して贅沢品などではない使う人になくてはならない必需品の様な感覚をあたえてくれるはずです。ただ頑丈だから長く使えるのではなく、使い込む程に愛着が生まれるからこそ本当に永く使える一枚板のその圧倒的な魅力は、家具が好きな方に限らず多くの人を魅了する力を持っています。

一枚板の産地

一枚板の産地は様々で、現在一枚板のテーブルに使用する丸太は世界中から日本の木材市場にやってきます。欅、楡、栓、栃、楢、楠、桜など、小さな日本だけでも実に数えきれない銘木が多数存在しますが、数万種類という途方もない木材が世界には存在しています。大まかな産地は以下のようになります。

ウォールナット：世界中に分布するが主に北米
モンキーポッド：東南アジア　主にラオス
ブビンガ：アフリカなど
アッシュ、オーク：ヨーロッパ、アメリカなど
欅、栃、桜：日本

木材市場において競市、入札など一枚板が採れる丸太を仕入れる際は例えば産地を公表（岐阜県産、旭川産など）していることがほとんど無いため詳しい国内産地は不明です。良質なカバ桜は殆どが北海道産だけで調達したりと、国内でも場所によって育つ樹種が異なるため、種類によってはほぼ産地を特定できるものも存在します。ただ欅、楡、栓など国内どこでも存在する樹種は産地特定が難しく、木目の「細かさ」を見て木目が粗ければ比較的暖かい西日本で育ったであろうとか、細かい木目であればおそらく「寒い場所」で育ったであろうとかの憶測をする事しかできません

一枚板のメリット・デメリット

一枚板のメリット

1.自然な美しさ

数百年生きた巨木から挽き出される一枚板はその天然の美しさ質感をそのままに感じることが出来ます。その木目の美しさや色調は他の工業製品などでは作り出せない独特な魅力に溢れています、そのためお部屋に一枚板があるだけ圧倒的な自然の温かみを感じていただけます。

2.個性的なデザイン

一枚板テーブルは一つ一つ異なり同じ物がなく、全ての一枚板が独特の木目や形状を持ちます。その独特の個性はダイニングルーム、カウンター材などあらゆるシーンで一点物のアートとして楽しむことが出来ます。

3.高い耐久性

神社、仏閣、お城など歴史的な建造物に必ず使われる木材は数百年、それ以上残り続けています。適材適所に使用された丈夫な木材は高い耐久性を発揮します。しっかり乾燥、加工された一枚板テーブルであれば世代を超えて使えるほど永く使うことができます。

4.環境にやさしい

天然木の一枚板は再生可能な資源であり、環境に優しい素材です。木材は他の建材やプラスチック素材と比較しても製造時のエネルギー量が少なく、自然素材であるため廃棄時にも自然に分解され易い特性を持っています。また古材を使いテーブルに作り変えるなど、素材に手を加えることにより生まれ変われる環境に優しい素材と言えます。